命を預かるという住まいの原点が試される極地。そんな厳しい環境にこそ、美しい暮らし方がある。設立代表者の村上祐資はそう信じて、これまで南極の昭和基地、世界の模擬火星実験基地、ヒマラヤのエベレストベースキャンプや富士山測候所など、極地の暮らしを踏査し続けてきました。そして剥き出しの環境で生活する人たちがもつ「その地に根を下ろす力」と、極地で育まれてきた「暮らしの規矩」の美しさに、魅せられてきました。
美しい自然がときに荒ぶる表情を見せるように、あるいは大災害も自然の一つの側面であるように、「おそれること」は人間の一つの側面です。その側面に触れたときに、私たちはどれだけ自然体(謙虚さや、原点に立ち戻ること、とるに足らないものを分け合う喜び)を忘れないでいられるでしょうか。人間としての生きる力の原点は、「正しくおそれること」にあるのかも知れません。
「災難によって人は学ぶ」とは古代ギリシャの作家イソップの言葉です。宇宙や極地は、私たちの力を試す場所ではなく、「足らなさを知り」「足らなさを受け入れ」「足らなさと向き合う」ことを学ぶ場所です。宇宙を統べるのではなく、周囲の世界との繋がりを通して自らを知る。数年のうちに火星に到達するのではなく、宇宙の視点から永く地に足をつけた暮らしを考える。そんな活動が現代に求められているのではないでしょうか。
宇宙の視点から生きる力を再定義し、身体や生活の中にその力を取り戻す。
そんな場や機会と、プログラムをみなさんに提供する。
それが私たち、FIELD assistantのミッションです。